怪しいメール その2


前回に引き続き詐欺メールネタで

今回の内容は

件名:※電子内容証明(e内容証明)による債権移行通知
送信者:合同民訴管理局[JPN branch office.] <info@s10j4od8njik.site>
 
配達記録:1052931
(訴訟開始通知) Web Service利用料未納超過における差押通告
 
(通知人・WEB Payments顧問弁護団)
-本状は、Google株式会社を主導とする複数社による合同民事訴訟案件となります-
 
※申立ての趣旨
債権者が債務者に対して有する債権の執行を保全するため、債権額に満つるまで債務者所有の全財産(今後支払われる給与含む)を仮に差し押さえる。
 
本通知受信後、24時間以上対応を放置した場合、未納料金(798,500円)全額分差押処分と致します故、ご了承下さい。
尚、本案内に沿って電子取引契約上にて定められる【合意特約解除】を行なって頂ければ、未納料金の支払いを免除する事が可能ですので、ご安心下さいませ。
 
現在貴殿[xxxx@xxxxxx.xxx]においては、WEB上のコンテンツ提供Serviceに登録をされ、2週間の無料期間中に正規の解約処理を行わなかったために、サイト継続の利用意思があるとみなされ、月額の情報サイトの利用料金、並びにサポート費用等が発生し、現時点で未払いの状態になっており、滞納金として【798,500円】の支払義務が課せられております。
 
この度Service管理元から、貴殿が本状にて速やかに解約の処理を行った場合は、現在発生してる滞納金を全額免除にし、訴訟等を取り下げると言うことで依頼を承っております。
こちらの和解案[合意特約解除]について下記手順にそってご対応をお願い致します。
 
 
↓申請の手続き方法↓
継続利用の意思が無く未納分の支払い免除措置を希望する場合は、本状を閲覧後、本メールに「合意解除申請」と記入の上そのままご返信下さい。
 
申請受付後、貴殿の本人確認を行い、貴殿より電子上の署名を頂いた上で、合意契約により請求元との和解および円満解約が実行されます。
 
※必ず本状が受信されたアドレスからご返信下さい。
その他のアドレスからではご本人確認が取れず申請が無効となります。
 
 
●よくあるご質問●
Q. どうして自分のメールアドレスを知っているのか?
A. 貴殿が利用する通信事業者に情報開示要求を行って取得しています。
 
Q. 他にも自分の個人情報を知っているのか?
A. 今後、貴殿が何らかの 異議申し立てを行わない場合、 身元調査により取得した情報を 保有することになります。身元調査により得られた貴殿に関する情報は、 インターネット上に誰でも見れる状態にした上で、 損害賠償請求権実行などの法的手続きをとります。
 
Q. 未納分は支払いをしないといけないのか?
A. 支払い能力がある場合は そのまま手続きに進んで頂く形が最も簡潔かつ確実な方法となります。
ですが事情により対応が難しい場合、 和解の意思を本状から示して頂ければ穏便に解決ができます。
本通知はその為の通知であり、 貴殿の意思の表明は当方にて対応致します。
 
Q. いつまでに意思を表明すれば良いのか?
A. 本メール受信後、 24時間以内に必ず連絡を行ってください。
 
Q. 知らない、身に覚えがないのだが?
A. サービス管理元から引き受けた案件を調査した上で通知しています。
既に貴殿には催告通知を過去数回行っておりますが何らの意思確認が取れておらず、また信用情報機関へ登録がある為、 身に覚えがない等と無視を続けられた場合、 貴殿の財産に不利益が発生します。
嘘をついたり、しらを切ったりした場合、より悪質な利用者だと判断され損害賠償が上乗せされる場合もあります。
 
Q. このまま無視するとどうなるのか?
A. 連絡がない場合は、世帯主、 勤務先、親族、知人の順に調査をかけ請求を行います。
貴殿が逃亡する可能性のある実家、 勤務先、友人知人宅等に優先的に 書面通達を実施し、貴殿の代わりに取り立てを行います。

今回の文章も突っ込みどころ多数の楽しい文章なので順に見ていきましょう。

まず「電子内容証明(e内容証明)」とタイトルに書いてあります。
日本郵便のサービスとして「e内容証明(電子内容証明サービス)」というサービスが確かに存在しますが、日本郵便のサービスは電子メールで内容証明を送る訳では無く、Webサイトで内容証明の原稿を受け付けて、その文章を郵便局で印刷した上で紙の内容証明郵便として送ってくれるサービスで、決して電子メールで内容証明が送られてくる物ではありません。
それに、電子メールは電子署名をしない限り送信後の伝送路で内容が改竄されても確認できませんので、内容証明と言うからにはせめて電子署名してくれないと信用できませんが、このメールには電子署名が有りませんので第三者が改竄していたとしても判らないと言う事になってしまいます。

今回はGoogleの名前を騙っていますが「Google株式会社」となっています。
米国本社は「Google Inc.」日本法人は「グーグル株式会社」が正式名称のようですので、弁護団が発信したと言ってるわりには会社名が正しくないというのはお粗末です。
それとも検索で有名なGoogleとは異なる「Google株式会社」が訴訟を起こしたと言いたかったのでしょうか?
謎です。

次は「債権額に満つるまで債務者所有の全財産(今後支払われる給与含む)」って事ですが、生活に必要な財産は差し押さえ対象にできませんので、全財産の差し押さえは無理です。

Q&Aには「身元調査により得られた貴殿に関する情報は、 インターネット上に誰でも見れる状態にした上で」なんて事を書いていますが個人情報保護法違反になるので、こちらが損害賠償請求できるようになり請求されている額以上に賠償金が貰えそうで嬉しい限りです。
更に「連絡がない場合は、世帯主、 勤務先、親族、知人の順に調査をかけ請求を行います。貴殿が逃亡する可能性のある実家、 勤務先、友人知人宅等に優先的に 書面通達を実施し、貴殿の代わりに取り立てを行います。」なんて脅し文句を書いていますが、連帯保証人でも無い限り本人以外に債務の支払いを求めるのは違法行為なので弁護団が書いた文章には到底見えませんね。

いやはや何とも、今回もお粗末な内容ばかりでこんなので騙せると思ってるのか不思議で仕方ありません。

そうそう、今回も送信者の所には「合同民訴管理局」とか書いてるけどメール本文では一切名乗ってないし、連絡先とか何も書いてないのってビジネス文章としてダメダメな感じです。
ドメイン名も怪しい物を使っているのも前回と同じで怪しさしか漂ってきません。

次はどんな文面で来るのか楽しみですね。

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